2023 | #013 | “コンテナ“ | 山本能楽堂(大阪) |
2022 | #012 | “クロスロード“ | 山本能楽堂(大阪) |
2021 | #011 | “LG20/21クロニクル“ | enoco(大阪) |
2019 | #010 | “ジャンクション“ | enoco(大阪) |
2018 | #009 | “808ダイエット“ | アイホール(兵庫) |
2017 | #008 | “ファントム“ | アイホール(兵庫) ナビロフト(名古屋) |
2016 | #007 | “百式サクセション“ | アイホール(兵庫) 金森ホール(北海道・函館) |
“PORTAL“ (演出:松本雄吉) | ローズ文化ホール(大阪) あしびなーホール(沖縄) 高知市文化会館(高知) ロームシアター(京都) | ||
2015 | OMS戯曲賞特別賞再演 ”タイムズ”(演出:佐藤信) | アイホール(兵庫) 座・高円寺(東京) | |
2014 | #006 | “Garbage collection” | INDEPENDENT 1st(大阪) シアターZOO(札幌) |
2013 | #005 | “タイムズ”. | アイホール(兵庫) 王子小劇場(東京) |
2011 | 真夏の極東フェスティバル“サブウェイ” | アイホール(兵庫) 王子小劇場(東京) | |
2010 | #004 | “サブウェイ” | ウイングフィールド(大阪) |
2009 | #003 | “リメンバーワイキキビーチ” | ウイングフィールド(大阪) |
2008 | #002 | “ネクストバッターズサークル” | アイホール(兵庫) |
2007 | #001 | “延髄がギリです。” | アイホール(兵庫) |
コンテナ #013
2023年 山本能楽堂(大阪)
夢洲は長く荒廃したままで、中央に広い駐車場のコンビニエンスストアがたつのみだった。北側は荒れた湿地が広がり野犬の姿も見えるが長く放置された功罪か多くの野鳥や昆虫の生息場所となっている。
一転、南側は堆くコンテナが積み上げられたターミナルがある。コンテナは20世紀最大の発明と言ってもよく、物流に革命を起こしグローバリゼーションにはなくてはならないものとなっている。コロナ禍でのコンテナ不足による混乱も記憶に新しく、コンテナの荷動きそのものが世界経済の推移と連動して行っているとも過言ではない。世界共通の規格であることは、輸送以外の使用への転用にも便利で仮設住宅やホテルなどでも使わていれる。カラオケボックスの始まりがコンテナであったことを記憶する人も多いだろう。あの規格化された箱の中には、多くの物語が詰まっている。港湾都市、砂上都市”大阪”を、このコンテナの目線から記録してみようと思っている。奇しくも、負の遺産として長く放置された島は、万博、IRというビッグマネーを利用して強引に蘇生させられようとしている。積み上げられたコンテナの向かい側に立つ、パビリオン。その言葉の語源は仮設建設である。
撮影:面高真琴
クロスロード #012
2022年 山本能楽堂(大阪)
大阪中心部に建つ能楽堂で上演。かつて大阪大空襲が直撃した場所であることをもとに創作。戦禍を逃れた少女が、疎開先のアスカの地で外国人の男で出会う。彼らは山の中で見つけた不思議な標識を自分たちの神様と呼んで、仲良くなる。二人は、ずっとその場所を守ることを約束するが、戦災が二人を引き剥がす。彼らの約束は、はるか後、大阪が水没しソコハカと呼ばれるようになるまではたされることなく残り続ける。小銭を忘れた男が電話ボックスの中で目を覚ます。彼は不思議な男と囲碁を打つことになる。それは、はるか昔の約束の物語だった。彼は生駒山頂の三角点より、大阪の街を俯瞰する。遠くウクライナで起きた戦争にも思いをはせ、「難民」の言葉を掘り起こそうと試みた。
撮影:面高真琴
LG20/21クロニクル #011
2020年 江之子島文化芸術創造センター(大阪)
大阪中心部の人口増加「逆ドーナツ化現象」の要因の一つ、増加するタワーマンション、また都市から姿を消しつつある電話ボックスを題材とした。観客は会場の4階と1階に分かれ、全てのシーンを見ることはできない。俳優が各階を行き来しながらパフォーマンスを行うが、やりとりのほとんどは各階に五台ずつ置かれた電話ボックス内の公衆電話を通じて行われる。ある日、タワーマンションで暮らしていた小学生の少女が失踪する。犯人と思しき男は、彼女の身につけてみたものを一つずつ、高額でフリマサイトに出品していく。現代都市住民の関係の希薄さや、コミュニケーションの距離感を考えるパフォーマンス。
撮影:面高真琴
ジャンクション #010
2019年 江之子島文化芸術創造センター(大阪)
かつては府庁が置かれ、大阪の玄関口として栄えた江之子島を題材とした。大阪と思しき架空の町「ソコハカ」。どうやらその町はすでに水没しているらしい。父の行方がわからなくなった四人の男が、久しぶりに集まる。上演場所も江之子島とし、観客は俳優に誘われ、劇場内外の様々なエリアを巡り、ソコハカの町の来し方行く末を鑑賞するツアーパフォーマンス。志人による90分連続のラジオ放送も話題となる。
撮影:清水俊洋
808ダイエット #009
2018年 AI・HALL (兵庫)
大阪の重要な境界線であった東横堀川を題材とした。かつて大阪八百八橋と呼ばれたほど、大阪には多くの橋がかかっていた。境界線としても、水路としても重要な役割を果たしていた東横堀川は、今は阪神高速道路に覆われ鬱蒼として暗い。ダイエットのため、川にかかるたくさんの橋をジグザグに跨ぐように走り続ける男。川に沿って、北から南へ、東から西へと走りながら、男は川が映す、大阪の断片と出会っていく。
撮影:清水俊洋
ファントム #008
2017年 アイホール(兵庫)ナビロフト(名古屋)
コインロッカーの中で目覚めた6人の男女。彼らは預けられた荷物なのか。 コインロッカーの扉は鍵がかかり当然、中からは開けられない。が、その扉以外の残りの五つの面には非常口のランプがともる。 ロッカーからロッカーへ。 くぐりぬけるコインロッカーの居室は、都市を構成する様々なモジュールに姿を変えていく。
撮影:清水俊洋
百式サクセション #007
2016年 アイホール(兵庫) 金森ホール(北海道・函館)
大阪天王寺公園には、かつて青空カラオケと呼ばれる場所があった。
青天井に「勝手に」カラオケ機材を並べ、
「勝手に」酒を飲みながら
一曲百円の歌を「勝手に」がなりたてる場所だ。
その「勝手」さが目に余ったのか、
行政代執行によって撤去され、もう12年にもなる。
跡形もなく綺麗に整備されたその公園は現代の荒野にも思える。
あそこに集った老いた人たちは、今、どこへ行ってしまったのだろうか。
僕はその中に「リア王」の姿を見た。
自らが育てたものに追われ、
増殖し続ける都市の中にさまよい出ていってしまったのだろうか。
これは、母を探す女の姿と各地で目撃された老婆の情報で構成する報告劇である。
撮影:清水俊洋
PORTAL
作:林慎一郎 演出:松本雄吉(劇団維新派)
2016年 ローズ文化ホール(大阪)/あしびなーホール(沖縄)
高知市文化プラザかるぽーと(高知)/ロームシアター(京都)
高知市文化プラザかるぽーと(高知)/ロームシアター(京都)
伊丹空港の南側、豊中市、庄内地域を題材とした。着陸する飛行機が轟音を立てて頭上をかすめ、「空地」と呼ばれる場所が点在する町。その町で暮らす男が、位置情報ゲーム「ingress」とラジオ交通情報放送”ジャティックの〇〇さん”の声に導かれながら、大阪と思しき、架空都市の「辺境」から「真ん中」を目指す物語。道中、男は現代都市の様々な断片と出会い、巻き込まれていく。
撮影:井上嘉和
OMS戯曲賞特別賞再演 ”タイムズ”
作:林慎一郎 演出:佐藤信
2017年 アイホール(兵庫)ナビロフト(名古屋)
コインパーキング(=タイムズ)という都市にある宙づりの場所と動かない時間をモチーフに、この世界に在る風景を、様々な物語の断片と共に描く本作は、作者の脳内にあるエキスを自動書記が如くスピード感ある台詞と予期せぬ場面展開で抽出した異色作。自動車ショーの司会者や女性棋士、小林旭やプロ野球・横浜大洋ホエールズのポンセにスーパーカートリオらの登場人物達の奇想天外な行動が、ゲームセンターやコインパーキングなどの場所という記号に絡み合う。軽い躁状態の現代世界をコラージュし、狂騒の中で繰り広げられる人間の哀しみが舞台を見る者の五感を刺激していく。林が創り出した幻想が、世界を社会を、そして我々を解き放つ。(安藤善隆 『言葉の劇場』OMS戯曲賞20年記念誌より )
撮影:清水俊洋
ガベコレ garbage collection #006
2014年 INDEPENDENT 1st(大阪)/シアターZOO(札幌)
2008年オリンピック誘致が叶わず、開発が思うように進まなかった大阪湾に浮かぶ埋立地”舞洲”を扱う。舞洲入り口に建つ、フンデルトワッサーデザインのゴミ・汚泥処理処理場を中心に、膨大な公的文書と2回のワークインプログレスで収集した市民インタビューをコラージュ。時を同じくして開催された大阪マラソンのコースを俳優と演出家で走り、埋立地を目指す体験を織り交ぜ、「私たちにとってこの街とは」を問いかけるパフォーマンス。
撮影:清水俊洋
タイムズ #005
アイホール(兵庫) 王子小劇場(東京)
コインパーキング(=タイムズ)という都市にある宙づりの場所と動かない時間をモチーフに、この世界に在る風景を、様々な物語の断片と共に描く本作は、作者の脳内にあるエキスを自動書記が如くスピード感ある台詞と予期せぬ場面展開で抽出した異色作。自動車ショーの司会者や女性棋士、小林旭やプロ野球・横浜大洋ホエールズのポンセにスーパーカートリオらの登場人物達の奇想天外な行動が、ゲームセンターやコインパーキングなどの場所という記号に絡み合う。軽い躁状態の現代世界をコラージュし、狂騒の中で繰り広げられる人間の哀しみが舞台を見る者の五感を刺激していく。林が創り出した幻想が、世界を社会を、そして我々を解き放つ。(安藤善隆 『言葉の劇場』OMS戯曲賞20年記念誌より )
撮影:石川隆三
サブウェイ列島縦断延伸ツアー(札幌、仙台、東京、大阪、福岡)
アイホール(兵庫) 王子小劇場(東京)
撮影:石川隆三
真夏の極東フェスティバル”サブウェイ”
アイホール(兵庫) 王子小劇場(東京)
撮影:石川隆三
サブウェイ #004
ウイングフィールド(大阪)
撮影:石川隆三
現代演劇レトロスペクティブ「家、世の果ての・・・」(作:如月小春)
撮影:石川隆三
リメンバーワイキキビーチ #003
ウイングフィールド(大阪)
撮影:石川隆三
ネクストバッターズサークル #002
アイホール(兵庫)
撮影:石川隆三
延髄がギリです。 #001
アイホール(兵庫)
撮影:石川隆三
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