#012 「クロスロード」

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2022年新作公演は12/16-18 山本能楽堂で行います。

公演情報

2022/12/16-18@山本能楽堂

作・演出:林慎一郎

江之子島での3年間のクリエーションを踏まえ、今回は能楽堂での公演となります。
極東退屈道場は一貫して都市の有様に注目して演劇作品を作ってきました。
その中でも、街を歩き、旅する目線を言葉で描写する方法に拘ってきました。
実は、それは能楽における「道行」という語りに想を得ています。
能楽堂で上演する本作品のモチーフは「道行」。特に「難民/移民」の道行です。
この3年はenocoというロケーションを手に入れ、かつての大阪の玄関口から大阪を俯瞰する作品づくりを続けました。
昨年は、それまで調べを進めたタワーマンション増築による人口増加と、都市の有様の変容とともに大きく数を減らす電話ボックスをその形状の類似性から関連づけコロナ禍の都市型コミュニケーションを考察しました。
作品は、行方知れずになった大切な人を探し続け、「風の電話」にたどり着く男の姿が終景となりました。
彼の素性は作中でも明らかにされることなく終わりました。
あれは何者なのかという問いかけは終演後たくさんもらいました。
彼は、自らにまつわるメタデータを全て剥ぎ取られてしまった人です。

コロナ禍で我々は再び「鎖国」と揶揄され、同じ空の下で戦争も起きました。
都市という名づけえぬものを彷徨う人々は何者なのか。
故郷を失い、家を失い、血縁を失い、名を失ってしまった人たちは、何者でもない。
ただ、語ることで何者かになれるのではないか、語ることでしか何者かになれないのではないか、そう思います。
能の作り物に、萩小屋または萩戸と呼ばれる直方体の作り物があります。
竹で骨組みを作り、中に人が一人入れる大きさに設える。 四方を柴のついた戸で囲い、その粗末な感じが、あばら家や寝室を表すのに用いられます。
それは前回使った電話ボックスがメタモルフォーゼした姿です。
難民とは旅人です。
それは、大阪が「何者」であるか。についても浮き上がらせるのではないか。そう考えています。

作・演出

林慎一郎

キャスト

石原菜々子(kondaba) 、井上和也、小竹立原、加藤智之(DanieLonely)、小坂浩之、橋本浩明

日時・場所

2022年
12/16(金)14時/19時
12/17(土)13時/17時
12/18(日)13時/17時

受付は開演の40分前、開場は開演の20分前

@山本能楽堂
〒540-0025 大阪府大阪市中央区徳井町1丁目3―6[TEL] 06-6441-8050
地下鉄谷町線・中央線「谷町四丁目」駅下車4番出口より徒歩約5分。谷町筋に沿って北へ。
1筋目(ホテルサンホワイト)手前を左折。一筋越えてすぐ左手。

チケット

※日時指定・全席自由
チケット料金:
一般前売   3200円
一般当日   3500円
ペアチケット 5500円
ユース割引(22歳以下)2000円
2回目以降の観劇0円(WEB予約のみ)
※ユース割引は、要身分証明書提示※未就学児童の御入場はご遠慮いただいております。

チケット発売:https://www.quartet-online.net/ticket/kyokuto_crossroad

スタッフ

スタッフ:
舞台美術デザイン/柴田隆弘  照明/魚森理恵 音響/あなみふみ 
舞台監督/古谷晃一郎  衣装/大野知英 
制作協力/さかいひろこworks
制作/奈良歩

主催:極東退屈道場
助成:
芸術文化振興基金助成事業
大阪府芸術文化振興事業
稽古場協力:辰野株式会社 株式会社アートローグ

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